脆弱性診断ツールは、Webアプリケーションやサーバー・ネットワークに対して既知の脆弱性パターンに沿った疑似攻撃を行い、その応答結果からセキュリティ上の弱点を自動で検出するソフトウェアです。無料のOSSから有料のクラウド型サービスまで多様な選択肢があり、組織の規模や体制に応じて適切なツールを選ぶことが求められます。
脆弱性診断ツールを選ぶにあたっては、診断対象(Webアプリケーション・ネットワーク等)と自社のセキュリティ体制の2点を先に整理しておくことが有効です。
そうした基本知識も交え、本記事では脆弱性診断ツールの種類・選び方・おすすめツール比較・運用のポイントまでを体系的に解説していきます。
なお、本記事を公開しているバルテス株式会社では、気軽に脆弱性診断をお試しいただける「サイバー攻撃自動診断」というツールを無料で公開・提供しています。診断項目は100項目以上と必要十分な項目を網羅しており、項目も最新の脆弱性の情報をもとに、定期的にアップデートされるので安心してセキュアなサイト運営が可能です。
「まずは無料で手軽に脆弱性を把握したい」という方は、弊社が提供するサイバー攻撃自動診断をぜひご活用下さい。
脆弱性診断ツールの仕組みと主な分類

脆弱性診断ツールは、あらかじめ定義された脆弱性パターンごとに疑似的な攻撃リクエストを対象システムへ送信し、その応答を判定することで問題の有無を検出する仕組みで動作します。リクエストを送る時点で「どの脆弱性パターンを検証しているか」は確定しているため、応答結果を機械的にOK/NG判定してレポート化できる構造です。
検出結果はレポートとして出力され、開発・運用チームが修正対応を進める際の根拠になります。
自動診断の仕組みと検出できる脆弱性
自動診断ツールが得意とするのは、パターンが明確に定義された既知の脆弱性の検出です。
代表的な検出対象には、SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング(XSS)、ディレクトリトラバーサル、クリックジャッキング、不適切なHTTPヘッダー設定などがあります。
これらはOWASP Top 10に含まれるリスクカテゴリとも重なっており、多くのツールがこの基準を参照した検出ルールを実装しています。
脆弱性診断ツールには大きな3種類がある
ツールを選ぶ際には、提供形態ごとの特性を理解したうえで自社の運用体制に合わせることが重要です。以下の表で3つの形態を比較します。
| 形態 | 導入難易度 | カスタマイズ性 | 運用負荷 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| ソフトウェア型(ローカルインストール) | 高い | 高い | 大(環境構築・更新が必要) | 社内環境の詳細なカスタム診断 |
| クラウド型(SaaS) | 低い | 中程度 | 小(自動更新・管理不要) | 定期的な自動診断・スモールスタート |
| 手動診断(専門家) | 不要(外注) | 高い | 小(外部に委託) | ビジネスロジック・認可制御の検証 |
クラウド型はインストール不要で自動更新される導入容易性が強みです。セキュリティ担当者が専任でいない組織でも比較的スムーズに運用を始められます。
ソフトウェア型はネットワーク内部の詳細な診断やスキャンルールのカスタマイズに向いていますが、環境構築と定期的なシグネチャ更新を自社で管理する必要があります。
自社に合うツールを選定するために有効な5つのポイント

ツールの形態や仕組みを理解したところで、次は自社に合った製品をどう絞り込むかという問題になります。
製品数が多い領域だからこそ、評価軸を先に定めておくことが選定を効率化するポイントです。以下では重要度の高い順に5つの基準を整理します。
1. 診断対象の範囲(Webアプリケーション・ネットワーク)
最初に確認すべきは「何を診断したいか」です。ツールによって対応する診断対象が異なるため、自社の環境と合っていないツールを導入しても期待した効果は得られません。
Webアプリケーションの診断を主目的とするなら、サーバーからの応答(HTTPレスポンス)を解析してSQLインジェクションやXSSを検出する機能に強いツールを選びます。ネットワーク全体のポートスキャンや設定不備の検出を重視するならNessusのようなネットワーク診断に特化した製品が適しています。診断対象が複数にまたがる場合は、一つのツールで全カバーしようとするより、用途別に使い分ける構成も現実的な選択肢です。
なお、AWS・Azure・GCP 等のクラウド環境における設定ミスの点検は、CSPM(Cloud Security Posture Management)と呼ばれる別領域のソリューションでカバーするのが一般的です。ソフトウェアの欠陥を検出する脆弱性診断とは目的が異なるため、クラウド設定の診断が必要な場合は本記事のツールとは切り分けてCSPM製品を別途検討することをおすすめします。
2. 自社のセキュリティ人材の有無とスキルレベル
ツールを適切に運用するには、診断結果を読み解き、誤検知を判断し、優先度を付けて対応できる人材が必要です。ISC2が2025年に公表した調査では、日本では42%の組織が「必要な人材を確保できない」と回答しており、世界平均の29%を大きく上回っています(出典:ISC2「2025 Cybersecurity Workforce Study」2025年10月)。
社内にセキュリティ専門人材がいる場合は、OWASP ZAPやBurp Suiteのようにカスタマイズ性の高いツールを活用することで、より精密な診断が可能になります。
専門人材がいない、またはスキルが十分でない場合は、診断結果の解釈サポートや修正アドバイスが付いたクラウド型サービスを選ぶか、手動診断を外部に委託する構成が現実的です。
3. ツールの検出精度と誤検知への対処
診断ツールの品質を左右する要素の一つが、誤検知の多さです。誤検知が多いツールを使い続けると、担当者がアラートに慣れてしまい、本当に重大な脆弱性の通知を見落とすリスクが生じます。
精度を事前に評価する方法として有効なのは、無料トライアルを活用して自社環境で実際にスキャンを走らせてみることです。同じシステムに複数のツールをかけて結果を比較するのも、精度の差を把握する手がかりになります。
また、セキュリティ系のレビューサイトや第三者評価レポートで誤検知率に関する情報を確認することも選定の参考になります。
4. 費用相場とコスト
脆弱性診断にかかるコストは、ツール自動診断と手動診断で大きく異なります。
費用相場の目安として、ツール(自動)診断は10万〜30万円、手動診断は50万〜150万円、大規模な手動診断では150万〜300万円以上になるケースがあります。
月額課金型のクラウドサービスでは月額2万〜10万円程度から利用できる製品もあり、定期診断を継続する場合はこのモデルが費用を平準化しやすい選択肢になります。
5. サポート体制の充実度
ツール選定においてサポート体制は見落とされがちですが、特に導入初期や緊急時に大きな差が出る要素です。
日本語でのサポート対応があるか、問い合わせはメールのみかチャットや電話にも対応しているか、診断結果の解釈についてアドバイスを受けられるかといった点を事前に確認します。
国産のクラウド型ツールは日本語UIと日本語サポートが標準で付いている場合が多く、グローバルツールに比べてコミュニケーションコストが低い傾向があります。
一方、グローバルツールはコミュニティが大きく、フォーラムやドキュメントから情報を得やすいという利点もあります。自社のセキュリティ担当者が英語のドキュメントを問題なく読めるかどうかも、現実的な選定基準の一つになります。
無料 vs 有料ツール、どちらを選ぶべき?

脆弱性診断ツールの検討にあたっては、無料のOSSと有料の商用サービスのどちらを選ぶべきか?という点も重要な論点になります。
どちらが優れているというものではなく、組織の体制・目的・診断頻度によって適切な選択が変わります。
| 比較軸 | 無料ツール(OSS) | 有料ツール(商用) |
|---|---|---|
| 機能の充実度 | 基本的な診断機能は揃っているが、UIや自動化は限定的 | ダッシュボード・レポート生成・スケジュール診断等が充実 |
| サポート | コミュニティフォーラムが主体。公式サポートなし | 日本語対応の公式サポートあり(製品による) |
| 運用負荷 | インストール・設定・更新を自社で対応 | クラウド型は自動更新。管理コスト低 |
| コスト | ライセンス費用なし(運用・人件費は発生) | 月額〜年額課金(数万円〜数百万円規模) |
| 向いている組織 | セキュリティ専門人材がおり、カスタマイズを重視する | 専門人材が少なく、手軽に継続したい |
無料ツール(OSS)の強みと限界
OSSの最大の強みはコストではなく、透明性とカスタマイズ性です。
ソースコードが公開されているため、スキャンロジックを確認・改変できます。OWASP ZAPのような成熟したOSSはプラグインによる機能拡張が可能で、専門知識を持つエンジニアが使えば商用ツールに近い診断精度を引き出せます。
一方で、OSSには明確な限界もあります。スキャンルールの最新化は自社で対応する必要があり、新たな脆弱性パターンへの対応が遅れるリスクがあります。診断結果の出力形式がシンプルなため、経営層への報告に使えるレポートを別途作成する手間もかかります。
導入・設定・メンテナンスに費やす人件費を含めると、「無料」の実質コストは思いのほか高くなる場合があります。
有料ツールを選ぶべき3つの条件
有料ツールへの移行を検討すべきタイミングや条件は、主に3つあります。
1つ目は、自社だけでは診断結果の分析や対策の優先度判断が難しい場合です。OSSは検出結果が素のまま出力されるため、どの指摘が誤検知で、どれを優先的に修正すべきかを自力で判断できる体制が前提になります。セキュリティを兼任で担当している方であっても、知見があれば運用は十分に可能ですが、「出た指摘を読み解ききれない」段階にある組織は、結果の解釈サポートや修正方針の助言まで受けられる有料のクラウド型サービスの方が運用を軌道に乗せやすくなります。
2つ目は、診断対象が多く定期診断を継続的に実施する必要がある場合です。有料ツールはスケジュール診断の自動化や複数ターゲットの一括管理に対応しており、運用の手間を大幅に削減できます。
3つ目は、PCI DSSやISMS等のコンプライアンス対応が求められる場合です。監査で提出できる形式のレポートを自動生成できる製品や、準拠状況をダッシュボードで可視化できる製品を選ぶことで、コンプライアンス対応にかかる工数を減らせます。
初めて有料ツールを検討する場合は、複数製品の無料トライアルを実施して自社環境での使い勝手を比較することをおすすめします。
脆弱性診断ツールおすすめ10選!

ここからは、具体的なツールを無料ツール・有料の国産クラウド型・有料のグローバルツールの3カテゴリに分けて紹介します。
各カテゴリの冒頭で向いている組織像を示しますので、自社の状況と照らし合わせながら参照してください。
無料で使える診断ツール4選
無料カテゴリは、ライセンスコストをかけずにまずは現状把握から始めたい組織や、社内にセキュリティエンジニアが在籍していてカスタマイズ性を活かした内製診断を行いたい組織に向いています。
1. サイバー攻撃自動診断

| 運営会社 | バルテス株式会社 |
|---|---|
| サービス種別 | 無料で使える Web サイト向け自動脆弱性診断ツール |
| 主な利用者層 | まずは無料で自社サイトの脆弱性の有無を手軽に確かめてみたい中小企業・Web担当者 |
| 主な機能 | URL を指定するだけで実行できる自動スキャン、主要な脆弱性の検知、簡易レポートの出力 |
| 診断対象 | Webサイト・Webアプリケーション |
| 料金 | 無料 |
サイバー攻撃自動診断は、バルテス株式会社が提供する無料のWebサイト向け脆弱性自動診断ツールです。
URL を指定するだけで主要な脆弱性の有無をオンラインで確認できる手軽さを重視した設計で、セキュリティ専任者がいない組織でも「まずは現状把握から始めたい」というニーズに応えられます。
診断項目は100項目以上と必要十分な項目を網羅しており、項目も最新の脆弱性の情報をもとに、定期的にアップデートされるので安心してセキュアなサイト運営が可能です。
「まずは無料で手軽に脆弱性を把握したい」という方は、弊社が提供するサイバー攻撃自動診断をぜひご活用下さい。
2. OWASP ZAP

| 運営会社 | OWASP Foundation |
|---|---|
| サービス種別 | Webアプリケーション脆弱性診断ツール(OSS) |
| 主な利用者層 | セキュリティエンジニアが社内に在籍し、Webアプリ診断を継続的に内製化したい組織 |
| 主な機能 | プロキシ経由の動的スキャン、GUI/CLI両モード、CI/CDパイプライン統合、プラグインによるスキャンルール拡張、カスタムスキャンポリシー設定 |
| 診断対象 | Webアプリケーション |
| 料金 | 無料(Apache License 2.0、商用利用可) |
OWASP ZAPは、OWASP(Open Web Application Security Project)が開発するWebアプリケーション診断の定番OSSツールです。
ブラウザ操作をプロキシ経由でキャプチャしながらスキャンを実行するアーキテクチャが特徴で、テスターがたどる導線に沿った精度の高い動的解析が行えます。
GUIモードでの対話的検査と、CLIモードでのCI/CDパイプライン組み込みの両方に対応しており、スキャン速度よりも検査の網羅性・カスタマイズ性を重視する現場で長年使われ続けています。豊富なアドオンエコシステムによって、検査ルールの追加やレポート形式の調整も柔軟に行えます。
セキュリティエンジニアが社内に在籍し、自前で診断シナリオを構築・運用できる体制があるチームであれば、選択肢の一つとなるでしょう。
3. OpenVAS

| 運営会社 | Greenbone AG |
|---|---|
| サービス種別 | ネットワーク脆弱性スキャナー(OSS) |
| 主な利用者層 | 社内ネットワーク・サーバーインフラの診断を内製化したいセキュリティチームやインフラ担当 |
| 主な機能 | 5万件以上のNVT(Network Vulnerability Tests)フィード、ネットワーク機器・サーバー・OS設定不備の検出、Greenbone Security Manager 統合 |
| 診断対象 | ネットワーク機器・サーバー・OSレベルの設定不備 |
| 料金 | OpenVAS(コミュニティ版)は無料 / Greenbone Enterprise は環境規模に応じ要見積もり |
OpenVASは、Greenbone AG が開発・公開するネットワーク脆弱性スキャナーで、Greenbone Vulnerability Management の中核コンポーネントです。
5万件以上の脆弱性テストを収録した NVT フィードを持ち、ネットワーク機器・サーバー・OSレベルの設定不備を幅広く検出します。コマンドラインだけでなく Greenbone Security Manager(GSM)の Web UI から運用でき、スキャン結果のチケット化・レポート出力までを一連のワークフローでカバーできる点が強みです。Linux/Docker でのセットアップが前提となるため、構築にはインフラ知識が必要です。
Webアプリより社内ネットワークやサーバーインフラの脆弱性把握を優先したい組織に向いています。コミュニティ版で運用感を試したうえで、SLA や日本語サポートが必要であれば商用版 Greenbone Enterprise の検討に進む流れが現実的です。
4. Vuls

| 運営会社 | – |
|---|---|
| サービス種別 | サーバー脆弱性検出ツール(OSS) |
| 主な利用者層 | サーバー管理を担当するインフラチーム、定期的なパッチ管理を自動化したい組織 |
| 主な機能 | エージェントレス動作、インストール済パッケージの既知CVE検出、NVD/JVN連携、CVSSスコア付きレポート、Slack/メール通知 |
| 診断対象 | サーバー上のソフトウェア・パッケージ(既知CVE) |
| 料金 | 無料(GPL v3) |
Vulsは、日本発の Go 言語製OSSで、サーバーにインストール済のパッケージが持つ既知CVEの検出に特化しています。
エージェントレスで動作するため、診断対象サーバーへの追加インストールが不要な点が大きな特徴です。NVD・JVN といった脆弱性データベースと連携し、検出した脆弱性に CVSS スコアを付与してレポートを生成します。
Slack やメールへの通知連携にも対応しており、検出結果を運用フローに乗せやすい設計です。ネットワーク経由での非破壊的なスキャンが可能で、本番サーバー群への定期実行に向いた性質を持ちます。
有料の国産クラウド型ツール3選
国産クラウド型ツールは、日本語UIと日本語サポートが標準で提供されており、セキュリティ専任担当者がいない中小企業や、コンプライアンス対応を進めたい組織にとって導入ハードルが低い選択肢です。
5. AeyeScan

| 運営会社 | 株式会社エーアイセキュリティラボ |
|---|---|
| サービス種別 | AI型 Webアプリケーション脆弱性診断 SaaS |
| 主な利用者層 | ログイン後画面や複雑なフォームを持つWebアプリの診断を省力化したい組織 |
| 主な機能 | AIによるページ遷移・入力フォームの自動認識、診断範囲の自動最適化、定期診断スケジュール、Slack通知、日本語レポート |
| 診断対象 | Webアプリケーション(認証後コンテンツを含む) |
| 料金 | ワンショットプラン(短期集中)/ ビジネスプラン(年契約・複数サイト)の2軸、いずれも要問い合わせ |
AeyeScanは、株式会社エーアイセキュリティラボが提供する、AIを活用した次世代型Webアプリケーション診断SaaSです。
従来のクロールベースのスキャンに加えて、AIがページ遷移や入力フォームを認識して診断範囲を自動的に最適化します。ログイン後の画面や複雑な入力フォームを持つWebアプリケーションでも、人手のクローリング設定なしで深い経路まで診断対象に含められる点が差別化要素です。診断レポートは日本語で出力され、定期診断のスケジュール設定や Slack 通知にも標準対応しているため、日本語環境のチームがそのまま運用に乗せられる SaaS です。
認証後コンテンツまで含めた精密な診断を、人手の設定工数を抑えて回したい組織に向いています。プランは短期向けのワンショットと年契約のビジネスの2軸が用意されており、診断頻度に応じた選択ができます。
6. Securify

| 運営会社 | 株式会社スリーシェイク(3-shake Inc.) |
|---|---|
| サービス種別 | ASM(Attack Surface Management)+ 脆弱性診断 SaaS |
| 主な利用者層 | 外部公開資産の把握と継続的な脆弱性診断をセットで進めたい組織 |
| 主な機能 | 自社資産の自動発見・列挙、継続的な脆弱性診断、ASM/CSPM/SBOM 各機能 |
| 診断対象 | 外部公開Webアプリ・自社IT資産(サブドメイン・公開ホスト等) |
| 料金 | 脆弱性診断は月額5万円〜 / ASM・CSPM・SBOMは要問い合わせ |
Securifyは、株式会社スリーシェイクが提供する、ASMと脆弱性診断を統合したクラウドサービスです。
インターネットからアクセス可能な自社の資産を自動で発見・列挙し、それらに対して継続的な診断を実施する仕組みが特徴です。「自社のどこが外部から見えているか把握できていない」という、シャドーIT気味の状態を抱える組織にとって出発点になりやすいアプローチです。脆弱性診断単体だけでなく、CSPM や SBOM といった隣接領域もカバーするため、セキュリティ施策をひとつのコンソールで集約しやすい構成になっています。
脆弱性診断は月額5万円から始められるため、まず外部公開資産の継続診断から導入し、ASM/CSPM/SBOM までスコープを広げるかは運用の成熟度に応じて判断できます。
7. VAddy

| 運営会社 | 株式会社ビットフォレスト |
|---|---|
| サービス種別 | CI/CD統合型 Webアプリケーション脆弱性診断 SaaS |
| 主な利用者層 | DevSecOps を実践したい開発チーム、リリース前の継続的セキュリティチェックを内製化したい現場 |
| 主な機能 | GitHub・GitLab・CircleCI 等との連携、プッシュ・プルリクエスト時の自動スキャン、シンプルなUI、スキャン回数ベースの課金 |
| 診断対象 | Webアプリケーション |
| 料金 | Professional 月額¥19,800 / Enterprise 月額¥59,800 / Advanced 月額¥99,800(いずれも税別、初期費用0円) |
VAddyは、株式会社ビットフォレストが提供する、CI/CDパイプラインへの統合を最大の強みとするWebアプリケーション診断SaaSです。
GitHub・GitLab・CircleCI などの開発ツールと連携し、コードのプッシュやプルリクエストのタイミングで自動的に脆弱性スキャンを実行できます。スキャンシナリオの作成・実行・結果確認までをシンプルなUIで完結できる設計のため、セキュリティ専門知識を前提としなくても運用が回ります。プランごとにスキャン回数や対象URLの上限が設定されており、利用頻度に合わせて選べます。なお Starter プランは新規受付を終了しており、現在は Professional 以上の3プラン構成です。
開発フローに診断を組み込むDevSecOpsのアプローチを実践したい開発チームに最も適しています。リリース前のスキャンを CI 上で標準化し、検出された脆弱性を開発側で即時修正するサイクルを作りやすい性質を持ちます。
有料のグローバルツール3選
グローバルツールは英語が前提の製品が多いですが、機能の成熟度や実績の面で国産ツールと一線を画す製品が揃っています。
セキュリティエンジニアが社内にいて、英語ドキュメントを読める環境であればコストパフォーマンスが高い選択肢になります。
8. Nessus

| 運営会社 | Tenable, Inc.(米国上場) |
|---|---|
| サービス種別 | ネットワーク脆弱性スキャナー |
| 主な利用者層 | 社内インフラのセキュリティ管理を体系化したい中〜大規模組織 |
| 主な機能 | 170か国以上で利用される実績、常時更新の脆弱性プラグイン、ネットワーク機器・サーバー・クラウドインスタンスのインフラ全体スキャン |
| 診断対象 | ネットワーク・サーバー・クラウドインフラ |
| 料金 | Essentials 無料(最大16IP・30日)/ Professional $4,790/年 / Expert $6,790/年(いずれも1年契約) |
Nessusは、Tenable, Inc. が提供する、ネットワーク脆弱性スキャナーの世界的な定番製品です。
170か国以上で利用されており、対応する脆弱性プラグインが常時更新される運用体制が大きな強みです。ネットワーク機器・サーバー・クラウドインスタンスを含むインフラ全体の脆弱性を幅広く検出でき、コンプライアンス対応のチェックリスト評価機能も備えています。Essentials プランは無料で使えるため小規模な環境での試用に適しており、対象IPに制限のない Professional プラン以上に進むかは運用規模で判断できます。
社内インフラ全般のセキュリティ管理を体系化したい中〜大規模組織で広く採用されています。国際的な実績の厚みと脆弱性カバレッジを重視するなら最有力候補のひとつです。
9. Burp Suite

| 運営会社 | PortSwigger Ltd.(英国) |
|---|---|
| サービス種別 | Webアプリケーション診断ツール |
| 主な利用者層 | セキュリティエンジニア・ペネトレーションテスター、Webアプリ診断を深く学びたいエンジニア |
| 主な機能 | プロキシを中心としたスキャナー・インターセプト・リピーター・イントルーダー等の統合、手動と自動を組み合わせた精密検査、Web Security Academy(学習コンテンツ)の無料提供 |
| 診断対象 | Webアプリケーション |
| 料金 | Community 無料(速度制限あり)/ Professional $499/ユーザー/年(2026年1月価格改定後)/ Burp Suite DAST は要見積もり |
Burp Suiteは、PortSwigger Ltd. が提供する、Webアプリケーション診断の業界標準ツールです。
プロキシ機能を中心に、スキャナー・インターセプト・リピーター・イントルーダーといったモジュールを統合しており、手動診断と自動診断を組み合わせた精密な検査が可能です。セキュリティエンジニアやペネトレーションテスターが愛用する製品で、学習コンテンツとして使われる Web Security Academy も PortSwigger が無料で提供しています。Community 版は無料で触れますがスキャン速度に制限があり、完全な自動スキャン機能は Professional 版(2026年1月以降は $499/ユーザー/年)で利用できます。
Webアプリ診断を深く学びたいエンジニアの学習用ツールとしても、本番のペネトレーションテスト用ツールとしても両用できます。社内に診断スキルを蓄積していきたいチームにとって、長期的な投資価値が大きい選択肢です。
10. Snyk

| 運営会社 | Snyk Limited |
|---|---|
| サービス種別 | 開発者向けセキュリティプラットフォーム(SAST / SCA / コンテナ / IaC) |
| 主な利用者層 | アプリケーション開発を行う組織、シフトレフトでDevSecOpsを推進したいエンジニアチーム |
| 主な機能 | GitHub・GitLab 等との直接連携、プルリクエスト時の自動脆弱性検出と修正提案、ソースコード・OSSライブラリ・コンテナイメージの脆弱性検出 |
| 診断対象 | ソースコード・OSSライブラリ・コンテナイメージ・IaC |
| 料金 | Free $0 / Team $25/開発者/月〜(最低5名)/ Ignite $1,260/開発者/年 / Enterprise 要問い合わせ |
Snykは、Snyk Limited が提供する、開発者向けに設計されたセキュリティプラットフォームです。
ソースコード・OSSライブラリ・コンテナイメージ・IaC それぞれに含まれる脆弱性を、開発フローと一体化して検出することに特化しています。GitHub・GitLab 等のリポジトリと直接連携し、プルリクエスト時に脆弱なライブラリを自動検出して修正提案まで行う設計です。
従来の診断ツールが「デプロイ後のシステム」をスキャンするのに対し、Snyk は「開発段階のコード」に対してチェックを行うシフトレフトの代表例として位置付けられます。
アプリケーション開発を行う組織のDevSecOps推進に特に向いています。Free プランで個人や小規模リポジトリから検証を始め、組織として導入する段階で Team・Ignite・Enterprise のいずれかに切り替える流れが取りやすい料金体系です。
ツール導入で失敗しないための3つの運用ポイント

ツールを導入しただけでは、セキュリティリスクを継続的に低減することはできません。診断を一度実施して終わりではなく、継続的なプロセスとして運用を設計することが求められます。以下の3つのポイントを押さえることで、導入後の形骸化を防げます。
- 定期的な診断スケジュールの設計
- 診断結果の優先度付けと修正フロー
- ツール診断の限界を手動診断で補完する
1. 定期的な診断スケジュールの設計
脆弱性は、新しいコードのデプロイやライブラリのアップデート、攻撃手法の進化によって常に生まれ続けます。そのため、「リリース時に一度だけ診断した」では不十分で、定期的な診断を業務フローに組み込む必要があります。
一般的な設計として、Webアプリケーションであれば大きな機能リリースのタイミングに加え、月次または四半期ごとの定期スキャンを設けることが推奨されます。CI/CDパイプラインに診断を組み込めるツールを使っている場合は、コードの変更ごとに自動スキャンが走る設定が理想です。スケジュールを設計する際は、診断結果の確認と対応に必要な工数も含めて計画し、担当者が詰まらないように余裕を持たせることが重要です。
2. 診断結果の優先度付けと修正フロー
スキャン結果に多数の検出項目が出た場合、すべてを同じ優先度で処理しようとすると対応が停滞します。脆弱性のリスクレベルを判断する基準として、CVSS(共通脆弱性評価システム)スコアが広く活用されています。
実務では、Criticalは即日〜48時間以内の対応、Highは1週間以内、Mediumは次回リリースサイクル内、Lowは計画的に対処、という優先度の枠組みを設けておくと対応が整理しやすくなります。修正が完了したら再スキャンを実施して確実に脆弱性が解消されたことを確認することも大切です。修正フローをドキュメント化しておくと、担当者が変わった際にも対応品質を維持できます。
3. ツール診断の限界を手動診断で補完する
自動診断ツールには検出が難しい領域があります。たとえば、権限のないユーザーが他ユーザーのデータにアクセスできる「水平権限昇格」の問題や、本来の業務フローを悪用した不正操作は、ツールが「異常な操作」として識別できないため見落とされやすい脆弱性です。また、複数の操作を組み合わせることで初めて成立する複合的な攻撃も、ツール単体では再現が難しいケースがあります。
こうした領域をカバーするには、セキュリティの知識を持つ人間が攻撃者の視点で診断を行う手動診断の組み合わせが効果的です。バルテスでは、ホワイトハッカーによる手動診断と診断ツールを組み合わせたハイブリッドアプローチで、こうしたツール診断の限界をカバーしています。特にビジネスロジック系の脆弱性検証に強みを持ち、水平権限昇格や業務フロー悪用といった高度な攻撃手法の検出に対応しています。
ツール診断と手動診断のどちらから始めるべきか判断に迷う場合は、まず相談から始めることもできます(バルテスの脆弱性診断サービス)。
脆弱性診断ツール選びと運用まとめ

脆弱性診断ツールを選ぶ際は、3つのステップで進めると判断が整理されます。まず診断対象(Webアプリケーション・ネットワーク等)と社内のセキュリティ体制を明確にし、次に無料ツールで試験的に始めるか有料ツールから入るかを体制とコストをもとに判断します。
一方、自動ツールで検出できる脆弱性には限界があります。特に重要なシステムや外部に公開されているWebアプリケーションについては、ビジネスロジックの検証まで含めた手動診断との組み合わせを検討する必要が生じることも。
そこで、本記事で紹介したツール選定の5つの基準と3つの運用ポイントを実践することで、継続的なセキュリティ改善を進めていくことをおすすめします。効率的なツール診断と精密な手動診断を組み合わせたハイブリッドアプローチをお考えの際は、バルテスの脆弱性診断サービスもご確認ください。
※本記事の内容は2026年6月現在の情報をもとにしています