最終更新日時:2026.01.27 (公開日:2026.01.27)

ペネトレーションテストとは?意味や種類、やり方、ポイントを解説

近年、企業規模を問わずサイバー攻撃の被害が相次いでいます。情報漏えいやサービス停止など、ひとたび攻撃を受ければ企業に深刻な影響を及ぼしかねません。

こうした脅威に備えるための実践的なテスト手法が「ペネトレーションテスト(Penetration Testing)」です。自社のシステムが「実際の攻撃に耐えられるか」を検証する手法として、重要性が高まっています。しかし、「脆弱性診断とは何が違うのか」「具体的にどのように行うのか」といった疑問を持つ方も多いでしょう。

そこで本記事では、ペネトレーションテストの意味から種類、実施のやり方、成功のポイントまで詳しく解説します。自社のセキュリティ強度を確かめるための実践的な手法として、ぜひ参考にしてください。

ペネトレーションテストとは

まずは、ペネトレーションテストの意味や、混同されやすい「脆弱性診断」との違いについて整理しましょう。

ペネトレーションテストの意味

ペネトレーションテスト(Penetration Testing)とは、システムに対して疑似的に侵入を試みるテスト手法です。攻撃者が使用する手法によりシステムへの侵入を試み、防御機構が適切に働くか、抜け道はないかを検証します。「侵入」などを意味する英語のペネトレーション(penetration)に由来します。

ペネトレーションテストの目的は、システムの脆弱性(セキュリティ上の弱点)を実践的に評価し、重大な被害を未然に防ぐことです。現実の攻撃に近い形でセキュリティを見直す特徴的な手法といえます。

脆弱性診断との違い

ペネトレーションテストとよく似た言葉に「脆弱性診断」があります。脆弱性診断とは、システムに潜む脆弱性を見つけ出すプロセスのことです。ソースコードや設定ファイルに不備がないかの確認や、不正なデータ送信時の応答や挙動の検証など、セキュリティの観点で問題がないか見つけ出します。

脆弱性診断には、コードに脆弱性パターンが含まれていないかのチェックなども含まれます。擬似的な侵入を必ずしも行うとは限りません。ただし、脆弱性を見つけ出すための1つの手段として、ペネトレーションテストを実施するケースはよくあります。

つまり、脆弱性診断とペネトレーションテストには重なる部分もありますが、その具体的な手法は異なります。ただし、どちらも脆弱性を発見し、対策につなげるための手段である点は共通しています。

ペネトレーションテストの種類

ペネトレーションテストは、攻撃の起点(どこから侵入を試みるか)によって「外部ペネトレーションテスト」「内部ペネトレーションテスト」の2種類に大別されます。それぞれについて見ていきましょう。

外部ペネトレーションテスト

外部ペネトレーションテストは、外部ネットワークからシステムへの侵入を試みる手法です。インターネット上で公開されているWebサーバーや、ネットワーク内外の通信を管理するファイアウォールなど、組織外からアクセスできる範囲を対象とします。

たとえば、Webサイトのログイン機能に不正なコードを入力し、システムの制御の奪取を図ります。入力データの処理や設定に不備があると、攻撃者が内部に侵入できてしまいかねません。

外部ペネトレーションテストでは、不特定多数の攻撃者による一般的なサイバー攻撃を想定します。外部からの侵入経路を探り、情報漏えいや改ざんのリスクを見つけ出すことが目的です。

内部ペネトレーションテスト

内部ペネトレーションテストは、組織内からシステムへの侵入を試みる手法です。悪意を持った内部関係者による攻撃や、システム内部の端末に感染したマルウェア(悪意のあるソフトウェア)の活動などを想定して行われます。

外部からの防御は突破された前提で、内部の重要な機密情報やシステム権限まで到達されるかを検証します。内部の防御機構が正常に機能しているかを確認することが目的です。

ペネトレーションテストを実施するメリット

ペネトレーションテストの実施には、主に3つのメリットがあります。

システム全体のリスクを発見できる

ペネトレーションテストを実施することで、システム全体のリスクを発見できます。

実際に疑似的な侵入を試みるペネトレーションテストでは、複数のセキュリティ製品を含む、システム全体がテスト対象です。そのため、セキュリティ製品をまたぐ連携の不備や、運用時に起こり得る手違いなどに起因するリスクも検出できます。

こうしたリスクを包括的に洗い出すことで、システム全体の安全性を総合的に高められるでしょう。

現実的なリスクを可視化できる

ペネトレーションテストを実施することで、自社システムが抱える現実的なリスクを可視化できます。ペネトレーションテストは、実際の攻撃者が用いる手法で擬似的な侵入を試みるのが特徴です。そのため、いざ脅威が現実のものとなった場合の防御能力を実践的に確かめられます。

たとえば、本来アクセスが許可されないアカウントがシステム内部へ侵入できてしまった場合、機密情報(顧客リストなど)を外部へ持ち出せるか、といった検証も可能です。その結果、システムが適切に防御できれば、一定の安心感が得られるでしょう。反対に、万一侵入されてしまった場合でも、どの情報がどのくらいの時間で危険にさらされるか、といった被害イメージを具体的に把握できることは有用です。

こうした検証により、「もし自社が標的にされたら大丈夫か」という漠然とした不安を掘り下げ、セキュリティ対策の優先度を判断しやすくなります。

セキュリティ戦略に役立つ

ペネトレーションテストの結果は、今後のセキュリティ戦略を立てる際の重要な判断材料になります。懸念される攻撃に対して正しく防御できるか、検出された脆弱性が実際にどの程度の影響があるか、などが明確になれば、限られた予算を効果的に配分することが可能です。

セキュリティ対策に潤沢な費用を投入できる企業ばかりではないでしょう。限られた予算のなかで、何を優先して対策すべきかがデータとして分かることは、セキュリティ対策の費用対効果を最大化することにつながります。

なお、脆弱性の診断だけでなく、Webサイトの防御や万が一の際の事後対応・補償までをまとめて対策したい場合は、弊社の「サイバープロテクト」のような総合セキュリティサービスも有効です。

ペネトレーションテストのやり方【基本ステップ】

ペネトレーションテストは擬似的な侵入を試みる点で、一般的なソフトウェアテストと大きく毛色が異なります。ペネトレーションテストを実施する際の基本ステップを把握しておきましょう。

  • ステップ1:事前準備(情報収集・実施計画)
  • ステップ2:攻撃試行
  • ステップ3:結果分析・報告

ステップ1:事前準備(情報収集・実施計画)

ペネトレーションテストを実施する前に、綿密な準備が必要です。まず、前提として対象システムの構成や利用状況などの情報収集が欠かせません。収集した情報を踏まえてテストの目的や範囲、最終的なゴールを明確に定め、具体的な実施計画を立てましょう。

また、ペネトレーションテストにおける実施内容を明確にしておくことが欠かせません。検証環境の構築や必要なアカウント・データの作成、関係者への周知、バックアップの取得、緊急時の連絡体制の整備なども、この段階で準備しておきましょう。

ステップ2:攻撃試行

次に、事前に決めた実施計画に沿って、実際にシステムへの擬似的な攻撃(侵入)を試みます。攻撃者の視点で、さまざまな手口を駆使して機密情報へのアクセスやシステム権限の取得などを図ります。

攻撃が成功するか否かはもちろん、どこまで深く侵入できるかといった部分も含めて結果を記録します。

ステップ3:結果分析・報告

ひと通りの検証を実施した後は、ペネトレーションテストの結果を整理・分析し、報告書にまとめます。どの検証項目で、どの程度まで侵入できたのか、どのような手法が有効だったのかなど、さまざまな観点で分析が行われます。

洗い出されたリスクに対しては、重大度や発生確率などを踏まえたリスクレベルの評価、改善策を検討します。こうした分析結果は報告書としてまとめられ、関係者に共有されます。その報告書を参照することで対策の優先度が明確となり、セキュリティ対策につなげやすくなります。

ペネトレーションテストを実施する際のポイント

ペネトレーションテストを安全かつ効果的に行うために、実施時のポイント3つを押さえておきましょう。

セキュリティの専門家を確保する

ペネトレーションテストの正確な実施には、セキュリティの専門家が欠かせません。ペネトレーションテストには、高度な知識と経験が求められます。セキュリティの専門家がいない状態では、正確な検証ができないだけでなく、誤った実行によるトラブルを招く恐れもあります。

自社でセキュリティ人材を確保できない場合は、外部サービスの活用も検討しましょう。

実運用への影響を考慮して計画する

システムが抱える現実的なリスクを見つけるためには、本番環境を対象に擬似攻撃を行うことが理想です。ただし、本番環境を用いる場合は、実運用への影響を最大限に考慮しなければなりません。

ペネトレーションテストによってシステムに過度の負荷を与えてしまっては、サービス提供や社内業務に支障をきたす恐れがあります。事前に実施範囲や時間帯を決め、業務への影響を最小限に抑える計画が不可欠です。

また、関係者への周知やバックアップの取得、緊急時の連絡体制の整備なども事前に行いましょう。こうした準備が、ペネトレーションテストのリスクを下げることにつながります。

テスト結果をシステム改善につなげる

ペネトレーションテストの結果は、単なる報告で終わらせてはいけません。テスト結果から具体的な改善策を明確化し、システム改善につなげることが大切です。発見された侵入経路やリスクを冷静に受け止め、具体的なアクションプランを立てましょう。

設定の見直しや運用ルールの変更、必要なツールの導入など、報告書にもとづいた対策を実行することで、見つかったリスクの顕在化を防げます。

なお、弊社のペネトレーションテストサービスでは、高度なスキルを持つ専門家が、お客様のシステムに潜む現実的なリスクを特定し、セキュリティ強化を支援します。ぜひご検討ください。

まとめ

本記事では、ペネトレーションテストの意味から種類、実施のやり方、実施時のポイントまでお伝えしました。

ペネトレーションテストとは、システムに対して疑似的に侵入を試みるテスト手法です。単なる脆弱性の洗い出しにとどまらず、現実的な脅威や運用上のリスクを可視化し、セキュリティ戦略の見直しにも役立ちます。より精度の高いペネトレーションテストを行うためには、専門的な知見と豊富な実績を持つ外部のセキュリティ専門家へ依頼することが効果的です。
当サイトではWebサイト、モバイル、IoTへの脆弱性のリスクを考えている方や、サイバー攻撃の脅威から守るWAFセキュリティ診断に興味がある方へ、ダウンロード資料をご用意しております。ぜひ資料をダウンロードいただき、ご活用ください。

Copyright © VALTES CO.,LTD. All Rights Reserved.