ITの進化により、サイバー攻撃の技術も向上し新たな手口が増えています。そのため、いくらセキュリティ対策を社内で徹底しても不正アクセスの発生あるいはその被害にあう可能性を完全になくすことは難しいといわれています。しかし、実際に発生したあとの対応次第で被害を大きく減らすことができます。逆に誤った対応をしてしまうと、さらに被害を拡大してしまい、信用の損失や損害賠償などさまざまなリスクがあります。
そこで本記事では実際に不正アクセスにあってしまった場合の、損失を最小限に抑えるための対処方法を不正アクセスのリスクを減らす対策方法と併せてご紹介いたします。
不正アクセスとは
不正アクセスとは権限を持たない者がシステム、ネットワーク、アカウント、データなどに不正にアクセスし、情報を取得または改ざんする行為を指します。ハッキングやパスワードの盗難、ウイルス感染なども不正アクセスに含まれます。
不正アクセスにあった際のリスクは多岐にわたります。最も顕著なリスクはデータ漏洩で、機密情報や個人情報の盗難が発生し、それにより評判の損害が発生し場合によっては損害賠償を請求されてしまうというリスクがあります。また踏み台と言われる不正アクセスの中継地として利用されてしまうリスクも存在します。
セキュリティ対策を徹底することで不正アクセスの被害にあう可能性を下げることはできます。しかし、不正アクセスの手口は年々巧妙化しており、その被害件数やそれによる損失は企業個人ともに増加傾向にあります。
そこで、被害にあわないよう対策することに加えて、実際に不正アクセスされてしまった際に損失を最小限に抑える対処法を知っておくことが重要です。
もし不正アクセスされてしまったら
1.被害の拡大を防ぐ
次は、実際に不正アクセスされてしまったらどうしたらよいのか、具体的な対処方法を紹介します。
不正アクセスを受けた痕跡を発見したら、まずは対象の機器に繋がっているLANケーブルを外す、またはWi-Fiを切断するなどして、対象機器をネットワークから切り離しましょう。ネットワークに接続したままでは、被害がさらに拡大する可能性があります。
さらに、対象機器と他の機器とでアカウントを共有しているアカウントやシステムを停止させましょう。不正アクセスされた機器からパスワードが盗み見られ、同じパスワードを流用している他のシステムやデータにアクセスされてしまう危険性があります。管理者を通じて該当アカウントの利用権限を剥奪することで、被害の拡大を防ぐことができます。
2.上司や情報システム担当へ報告する
被害の拡大を防ぐためには、社内に迅速に連携することが最も重要です。不正アクセスの対応が遅れてしまうと被害が拡大してしまいます。「うちは大丈夫だ」と決して慢心せず、上司や社内の情報システム担当にまず報告しましょう。また社内で解決できない場合は、各都道府県警やIPAのサイバー犯罪相談窓口に相談する方法もあります。
サイバーセキュリティ・ポータルサイト 相談窓口紹介
3.被害状況を確認する
不正アクセスを受けたシステムやアカウントの特定や、具体的な被害内容を確認しましょう。セキュリティ対策ソフトを導入している場合は、それらを用いてウイルスなどに感染していないか調査しましょう。被害状況を事細かに確認することは、その後の対応を適切に行うために重要なポイントといえます。復旧対応の前に被害状況をしっかりと確認することはとても大切です。
このように、不正アクセスが万が一発生しても、その際の対応によって損失を最小限に抑えることが可能です。しかし、損失を軽減できるからと日頃のセキュリティ対策をおろそかにしてはいけません。不正アクセスにあわないよう常に対策をおこない、万が一あってしまっても損失を抑えるように対応することが重要です。
ここからは不正アクセスを受けないためにすべき対策をご紹介します。
不正アクセスを防ぐための対策
不正アクセスにより企業情報が漏洩してしまうとさまざまなリスクが発生してしまいます。そこで不正アクセスのリスクを減らすための代表的なセキュリティ対策をご紹介します。
1.プログラムを最新に保つ
不正アクセスを防ぐために、セキュリティ対策ソフトの導入は必須です。しかし、IT技術が日々進化するのと同様に、サイバー攻撃の技術も進化し続けています。そのためセキュリティ対策も導入するだけでなく更新し続けなければなりません。不正アクセスのリスクを下げるため、OSやソフトウェアの状態は常に最新の状態を保ちましょう。
2.より突破されにくい認証情報の利用
テレワークの普及により、業務利用されるPCやスマートフォンなどの端末から企業のデータを守る必要があります。生年月日や簡単な文字列(password,1234,.admin)などをIDやパスワードを設定しないよう社内で徹底しましょう。安易なパスワードは割り出されてしまいます。初期パスワードをそのまま使わないようにしましょう。また設定したパスワードは使いまわさないようにしましょう。また、生体認証、多要素認証、パスキーなどの利用もあわせておこなうより漏洩のリスクを軽減することができます。
3.セキュリティ意識の向上
ついうっかり、が原因でデバイスを紛失し、情報漏洩が発生するケースは非常に多く発生しています。そのため組織内のセキュリティ意識を向上することは、組織全体のセキュリティを強化するために不可欠です。きちんとセキュリティポリシーを策定し、従業員に対してセキュリティ教育を行いましょう。
ちなみに不正アクセスが発生した際の対応マニュアルを整備し、社員教育に活用することで、万が一の事態にもスムーズに対応することができ被害の軽減にもつながります。
まとめ
本記事では実際に不正アクセスにあってしまったらどうしたらよいのか対処法をご紹介いたしました。
不正アクセスによる被害は、企業にとって存続を脅かす大きなリスクの1つです。ぜひこの機会に自社の不正アクセス対策を見直してみてください。
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